絵本「ピッキーと風船の旅」

自作絵本です。リスのピッキーが冒険をして、お友達との輪を広げていくお話です。夢のような空飛ぶ船に乗って、次々に色んな所へ行きます。ピッキーと一緒に、旅の出会いを楽しんでみてください。


絵本「ピッキーと風船の旅」


赤いリスのピッキーは遠くの景色を見つめていました。
ウサギはお花を大切そうに撫でていました。
ピッキーとウサギさんはいつも一緒でにいました。
「オイラ、この風船につかまって、ずっとずっと遠くまで飛んでみたいと思うんだ。一緒に行こうよ。」
「私はここの森が好きだから、ずっとずっとこの森にいたいなピョン。」
「行ってみたら、気持ちが変わるかもしれないよ。」
「うーん、少しだけなら行ってもいいピョン。でも、少しだけピョン。」
二人は旅の準備を始めることにしました。


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「ぷーーーー、はーーーー、ぷーーーーーー、はーーーーー」
二人はたくさんの風船を膨らましています。
「ねえねえピョン。こんなにたくさんの風船をどうするピョン。」
「箱につなげて空に飛ばすんだ。」
「へーピョン。」
そして、ついに空飛ぶ箱が完成しました。


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ふわ!ひゅー。
「ははは、お空の旅の始まりだね!」
「ちょ、ちょっと待つぴょん!ピッキーはいつも気が早いぴょん!」
二人は風に乗って、ふわふわふわふわ飛んで行きました。
「ねえ、ウサギさん、あそこに何か見えないかい。」


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たかーい、たかーい崖の上、困っているトリさんを見つけました。
「どうしたんだい。」
「あたしは、鳥なのに、体が重いから、少ししか飛べないんだバサ。群れの仲間達は、みんな先に飛んでいっちゃたバサ。はあ。」
「ねえ、トリさん、それなら一緒にオイラ達と遊ばないかい。」


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大きなトリさんを乗せて、箱はパンパン。みんなギュウギュウ。
「トリさんってあったかいね。」

空飛ぶ箱は、トリさんの重さで少しずつ落ちていきました。


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たどり着いたのは、静かな泉のほとりでした。
「オイラ、ピッキー。サルさんはここで何してるの。」
「ウキキ、俺は顔が怖いから、みんなを怖がらさたくなくて、静かな泉で暮らしてるんだ。」
「ははは、ぜんぜん怖くなんかないよ。そんなことより一緒に遊ぼうよ。」


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4人は新しい空飛ぶ船を作りました。みんなも大喜び。サルさんも歯をむきだしておおはしゃぎ。でも誰も怖がりませんでした。船はみんなを乗せてフワフワと飛んで行きました。


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行き着いたのは、人の行きかう街の中。人が慌ただしく歩いている中に、ゆっくりぼーっとしているクロネコさんがいました。
「オイラ、ピッキー。クロネコさんはなんで、じっとしてるの。」
「私には、なんでみんながゆっくりしないのかがわからないニャン。」
「みんなと遊べば、もっと動きたくなるよ。」


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クロネコさんにみんなで飛びかかりました。
「ねえ、遊ぼうよ!」「そうだウキ!」「友だちになろうバサ!」


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みんなは、5人が乗れるもう少し大きな空飛ぶ船を作りました。みんなでプーーーー。ワイワイ、プー、ハー、ワイワイ、プーハー。
「みんなで作るって楽しいね。」


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夕方になっても、空の旅は続きました。笑い声がたえませんでした。でも、夜風がそっと吹いたとき、誰かの泣き声が聞こえました。


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ウサギさんでした。
「ねえウサギさん、どうして泣いてるの。」
「みんなと遊ぶのは、楽しいけど、とっても楽しいけど、、。ピョン。」
少しうつむいて、ウサギさんはピッキーに言いました。
「お家がどんどん離れていっちゃうのが、悲しくて、悲しくて。ピョン。」
ピッキーはやっとウサギさんの気持ちに気付きました。
「そうだね。もう、夜になるし、帰ろうか。」


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ピッキーが振り向くと、サルさんとトリさんとクロネコさんが悲しそうにしていました。
「僕たちは、帰っても誰もいないから、もう少しだけ一緒に遊んでたいんだバサ。」
「いつかは、さよならしなくちゃいけないのはわかってるけど、、ウキ。」


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「ねえ、みんな、オイラやウサギさんと一緒の森で暮らさないかい。」
「外の世界も魅力的だけど、オイラ達の森もとっても良いところなんだ。」
ウサギさんも、サルさんも、トリさんも、クロネコさんも、みんな笑顔になりました。


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そしてみんなが森に帰る頃、みんなの心が一つになりました。
おしまい。


絵本「ピッキーと遊ぼう」

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