昔々ここは森の奥の小さな公園、だった場所。今はおじいさんしか知らない、秘密の隠れ家。
「ここにいると、昔に戻った気分じゃ。よく子供と遊んだもんじゃ。」
「あの時、たくさん遊んだから、あの子は立派な発明家になれたのかのう。」


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そこへ一匹のリスがおじいさんに近寄ってきました。
「おやおやピッキー、今日もどんぐり探しに夢中なのかい。」
リスのピッキーは、モジモジしながらどんぐりをおじいさんに渡しました。
「おお、おじいさんにくれるのか。うれしいのう。」


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「おかえしに、今日はこのおもちゃをあげよう。虫眼鏡じゃ。何に使うかは、遊びながら考えなさい。」
おじいさんは、ポケットから虫眼鏡を取り出し、ピッキーに渡しました。
ピッキーはおじいさんの指に鼻をこすりつけてお礼をして、森の中へ帰って行きました。
カラスがその様子を羨ましそうに見ていました。


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ピッキーは住処の森に着くと、家の仲間がお出迎え。
「今日も楽しく遊ぶよ!おじいさんに虫眼鏡をもらったんだ。」
「ツルツルしてて、透明で、ひんやり冷たいね。舐めても味わしないよ。」
キラキラ好きのカラスも興味津々で見ていました。


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「おお!覗き込むとみんなが大きく見える。」
「ドングリも大きく見えるよ!」
「お花もこんなに大きく見える!」


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「よし、僕たちでいろんな虫眼鏡を作ろう…みんこんなのどうかな?クリスタルメガネ?」
「私も虫眼鏡を作ったよ。お水のメガネ!世界が逆さまだ。」


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「こんなものを拾ったよ。まん丸メガネ。なんだか不思議な世界」
「これは水の中を覗くこともできるよ。魚さん、こんにちわ。カニさん、カエルさん、こんにちは。」


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黄色。赤。青。緑。

「あれれ…みんなの体の色が変わっちゃったよ。」


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「あれれれれ…みんながたくさん増えちゃった。」


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「カッカッカ。俺様にそのキラキラしたものをよこせ!!」

みんなはカラスの登場にびっくり仰天。


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ピッキはーはメガネに夢中でカラスを観察し始めました。
「ん、羽が傷ついてるところ発見。よしよし、これで大丈夫。」
「カカッ!俺様の羽に何してやがる!」
「あれ、こっちは泥で汚れてる。よしよし、これで綺麗。」
「カカー!ちょっと待てって。」


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「ん、意外にお目めはかわいいな。」
「カハ!なんだって!」
「もっといろいろ見てみたいな。」
「カハハ。よせったら。くすぐったい」
「カッカッ!ちょっとまってくれ!見られてばかりじゃ恥ずかしい。」


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「お前たちを見てやるから、ここにならべ!」
虫眼鏡の前にみんな集まった。
「へー、もぐらは短い毛がフワフワはえてるんだ。」
「ネコの目はこんなにキラキラしてたんだ。」
「うさぎの歯はこんなに白かったんだ。」

「いっつも一緒の森にいるのに、知らないことだらけだね。」
「カカカ。お前たち、結構面白いな。」
「もっとみんなで遊ぼうよ。」
「もっともっと、きみを見たい。」


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おしまい。


絵本「ピッキーと風船の旅」

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