空想の風景を描く

風景や景色を写実的に描くことの延長で…今回は、自分の考えたオリジナリティーあふれる空想の世界を描いてみる場合のお話です。独創的なものというのは、無からは生み出せないもので、自分ならではの視点で選んだ要素を組み合わせて生み出すものです。なので、たくさんの写真や資料などの画像情報を見るのが重要です。また、非常に現実離れした世界を描くにしても、物理的に正しい光や陰影を描写したり、意匠のデザインにある程度既存のものを取り入れた方がアリティーが出たりもします。ということで、どんなイメージを作るにしても、空間を生み出す時に必要である、考えるべき要素をまとめてみました。


コンセプトを考える

まず、「こんな場所のこんなシーンが描きたい!」という明確なビジョンを持ちます。何を見せたいか、どんな雰囲気を出したいか、どんなことを伝えたいか等を決めます。それが何かの物語の舞台だったりすると、表現するものの目的が決まっていて描きやすいです。


主役を決める

2018-scenography02
風景の中で一番の見せ場を考えます。主役のモノ(人だったり物だったり)が目立つように、主役を魅せるように演出を考えます。そしてそのための構図、光と陰影を作ります。

↑上の絵の場合は、画面右上の白い鳥が主役です。ステンドグラスから降りそそぐ光が鳥を照らし出しているように演出してみました。


構図を考える

2018-scenography03
主役のモノに自然と目が行く構成を考えます。基本的に近景中景遠景で奥行きある空間を構成して、そのいずれかに主役となる部分を置きます。近景、中景、遠景のそれぞれ画面に占める割合や位置は、光の演出と同時に考えていきます。

↑上の絵の場合は、近景が右手前の椅子、中景が噴水、遠景が建物の外の景色となっています。主役のモノは中景の噴水です。噴水に目が行くように周囲の明るさを押さえ、上からの陽の光が噴水を照らし出して見えるようにしています。


光の演出を考える

2018-scenography04
どのくらいの光量の太陽光が、どこに向かって差し込んでいるのかを考えます。室内でしたら照明の光量と位置を考えます。そして、それらの光にともなう陰影をつけます。陰影は光を引き立てるための大切な要素なので、しっかり描写します。

また、光は明るさとともにも重要です。朝焼け、日中の光、夕焼け…それから晴れか曇りか雨かといった時間帯や天候によって、「すがすがしい、楽しい、寂しい、悲しい」など感情的な印象が変わってくるからです。意図した光を表現します。人にどんな雰囲気を感じさせ、どんな気持ちを伝えたいか…。情感を込めるとただの風景が、感情的な意味を持った情景に変わります。

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デザイン(意匠)や色の配色を考える

2018-scenography05構図や光など、大きなイメージを考えた後は、細部のデザインを詰めていきます。建物やオーナメントの文様などのデザインも、全体の雰囲気に合っていると良いです。配色も、美しい色の流れで構成し、光との相乗効果で主役のモノのが引き立つように見えるとより良くなるはずです。

印象的な風景を描く

写真資料を参考にして絵を描く

イラスト・絵画「竜宮(背景画)」を描きました。
イラスト・絵画「竜宮の室内(背景画)」を描きました。
イラスト・絵画「蝶の舞う部屋(背景画)」を描きました。
イラスト・絵画「祭の鼓動(背景画)」を描きました。
イラスト・絵画「秘密の隠れ家(背景画)」を描きました。

         
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