絵やデザインの勉強や仕事をする人に限らす、私たちは誰もがみんな、毎日いろんな色に囲まれて、いろんな色を見て、いろんな色を扱いながら暮らしています。服のコーディネートを考える時、料理を作る時、家具を買う時、ビジネスで資料を作る時など…色に触れる瞬間は毎日たくさんあります。色の選択や色の配色によって、人に与えるイメージやインパクトというものは大きく変わってきます。なので、その場その時の状況に合わせた最適な色を選べるといいですよね。
人間は外界から情報を得る際、五感の中で視覚が80%を占めるといわれています。自分に限らず、他人に与えるイメージを大きく左右するのが視覚的要素です。視覚的要素には色、形、構図などがありますが、今回は視覚の中で大きな割合を占める「色」についてその性質の基本をまとめてみました。
目次
▼目次
光と色の三原色
光の三原色(RGB)
光の発光で見える色で、R(赤 red)、G(緑 green)、B(青 blue)の3色で成る色です。
加法混色
色と色を混ぜると明るくなる混色のことを言います。パソコン・スマートフォン・テレビの画面やスポットライト等の発色方法です。R(赤)、G(緑)、B(青)この3色を重ねると「白」になります。RGBの3色の配合によって、様々な色を表示させています。
G(緑)+B(青)=C(シアン)
R(赤)+G(緑)=Y(イエロー)
B(青)+R(赤)=M(マゼンダ)
R(赤)+G(緑)+B(青)=白
色の三原色(CMY)
光が物体に当たって反射した光で見える色で、C(シアン cyan)、M(マゼンダ magenta)、Y(イエロー yellow)の3色で成る色です。
減法混色
色と色を混ぜると暗くなる混色のことを言います。絵の具や印刷物の発色方法です。C(シアン )、M(マゼンダ )、Y(イエロー)この3色を重ねると「黒」に近づきます。CMYの混色だけでは完全な黒にはならないので、印刷では黒専用のインクK(ブラック key plate)を使います。絵の具でも、全ての色を混色しても濁った茶色にとどまり、完全な黒にはなりません。
Y(イエロー)+M(マゼンダ)=R(赤)
C(シアン)+Y(イエロー)=G(緑)
M(マゼンダ)+C(シアン)=B(青)
C(シアン)+M(マゼンダ)+Y(イエロー)=K(ブラック)に近い色
色の三属性
色には、色相(hue) 、明度(brightness) 、彩度(saturation) の三つの要素があります。
有彩色と無彩色
色は、有彩色(chromatic color)と無彩色(achromatic color)で大きく分けられます。
有彩色
色みを持つ色全てを有彩色と言います。有彩色は、色相、彩度、明度の3つの要素をもちます。
無彩色
白、灰、黒といった、色みを全くもたない色を無彩色と言います。無彩色は、明度のみの要素をもちます。
▲目次にもどる
色相
色相環
色相とは色合いのことです。色相を虹色順に円環状に並べたものを色相環(hue circle)と言います。
色相環(CMY)は、印刷インクに使われています。パソコンのカラーパレットの配色ですね。現在、減法混色における原色はC(シアン )、M(マゼンダ )、Y(イエロー)です。一昔前まで、減法混色における原色はR(赤)、Y(黄)、B(青)となっていましたが、現代では、青よりも鮮やかなシアン、赤よりも鮮やかなマゼンダが加わり、赤はマゼンダとイエローの混色、青はシアンとマゼンダの混色で作られ、色相環(RYB)よりも色幅のある色彩を作ることが実現できるようになりました。
↓三原色カラー(シアン 、マゼンダ 、イエロー)の絵の具が販売されています。
色相環(RYB)は、伝統的な美術教育で使われています。絵の具の配色ですね。12色(黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫、赤、赤橙、橙、黄橙)で並べた円環のことを12色相環と言います。中学校の美術のテストに出てくるのはこちらの色相環です。以下、色相環(RYB)で説明をしていきます。(マゼンダを赤、シアンを青に置き換えたものとして捉えてください。)
原色、二次色、三次色
原色は、混色で生み出すことのできない色、R(赤)、Y(黄)、B(青)(色相環RYB)のことを言います。原色同士を混ぜ合わせたものが二次色となります。二次色は、橙、緑、紫です。また、原色と二次色を混ぜ合わせたものが三次色となります。三次色は、赤橙、黄橙、黄緑、青緑、青紫、赤紫です。
暖色
赤、赤橙、橙、黄橙、黄くらいまでの、暖かさを感じる色合いを暖色と言います。近くに飛び出して見える色合いなので進出色に属します。
寒色
青緑、青、青紫くらいまでの、冷たさを感じる色合いを暖色と言います。遠くに奥まって見える色合いなので後退色に属します。
中性色
紫系や緑系の、暖色とも寒色ともいえない中間的な色合いを中性色と言います。
補色
色相環で真正面で向き合っている色を補色と言います。例えば、黄と紫、青と橙、赤と緑が補色関係にあります。補色で配色すると、色がけんかする、色が汚い、目がチカチカする、異常な感じがするといったマイナスイメージを与えかねません。が、どちらかの色の彩度や明度を抑えて配色すれば、人目を惹くおしゃれで粋なイメージにもなります。ちなみに、補色を混ぜ合わせると濁った茶色のような灰色なります。
反対色
色相環のおよそ反対側に位置する色が反対色です。補色を含みます。反対色で配色すると、インパクトの強いイメージになります。
類似色
色相環の隣または近くに位置する色が類似色です。似た色同士で配色すると、調和が取れて落ち着いたイメージになります。
↓色相環を学べる絵の具です。発色がとても美しいポスターカラーです。
スポンサーリンク
明度
明るさの度合いです。明るい色を高明度、暗い色を低明度と言います。例えば、ピンクは高明度で、茶色は低明度です。白は最も明度の高い色であり、黒は最も明度の低い色となります。
彩度
鮮やかさの度合いです。鮮やかな色を高彩度、濁った色を低彩度と言います。白と灰と黒が最も彩度の低い色です。最も彩度の高い色を純色と言います。彩度のない灰色や黒を混ぜた色を濁色と言います。
色彩検定にチャレンジして色彩についての知識を深める
文部科学省後援の公的資格で、色彩検定というものがあります。デザインの中のとりわけ色についての勉強したい方向けの検定です。3(初級)~1級(プロフェッショナル級)までがあります。ある程度、色についての基本知識のあるデザイン系の人は、2級から受けて大丈夫な感じです。デザインの仕事に就きたい人だけではなく、絵を描いたり物を作ったりするために純粋に色彩センスをアップさせたいという方にもおすすめの検定です。
色と色の表現は無限で扱うのは難しいですが、系統立てて学び、たくさんの色に触れて使ってみれば自然に扱えるようになるはずです。人の心に豊かさをもたらす色はとても楽しいものなので、楽しんで学んでみてください♪
美しい色彩を見て色彩感覚を磨く
色彩センスを高めるには、「美しい色彩をたくさん見る」ことが重要です。美しい色彩を見て感動した心がそのまま自分の色彩センスとなっていくので、素晴らしい配色の自然界やアート作品などを多く見て学ぶとよいでしょう。
●美しい色相で配色・着彩する
●時節に合った魅力的な配色アイデア
●水彩色鉛筆で様々なイメージを描く
●12カ月の誕生石のイラストレーション
●虹色を使ったコラージュアート
●虹をテーマにした知育動画
●知育菓子(スイーツ系①)を作ってみました。(色の三原色と減法混色が学べるお菓子)